「尾野真千子が語るテレビドラマ『カーネーション』を中心に」-3
シーン3
これは外せないでしょうと周防さんのシーン。
『ぽっかり空いた大きな穴に大変な人が入ってきてしもた。うちは悲しいんやな。いとこが周防さんに告白をする朝、工場でのおいもすいとっとまで』
(ああ、舞台の奥の壁に動く周防さんの映像ですよ、胸熱。🔥)
*周防さんのキャスティングについて
ヒロインオーデションのほかに男の子の小さいオーデションもあった。そこで何人か選んで順番にキャスティングした。綾野くんの事はみんなイイと言ったがイメージに合う役がなかったがどこかで使おうと残していた。「そんなにイイなら周防さんで良いんじゃないですか?」と渡辺あやさんに言われて決まった。本当は周防さんのモデルはマッチョな人だった。
渡辺あやさんに会わせたのだが会ってはいなく、 NHKの食堂で城谷さんと綾野くんが話しているところを渡辺あやさんが見るという方法だった。
(マッチョな人だったらどうなっていたのかねぇ、良かったよ、あの周防さんで。あと男の子のオーディションという言い方がツボ)
周防さんが長崎弁なのはプロデューサーが長崎だから。
*尾野さんと綾野くんはmotherで共演ですね。
「長崎弁に緊張していた。お互いこの役でよかったねと話した。motherで共演していたので仲はよかった」
もっと周防さんの話もしたいのですが次のシーンへ(岡)
シーン4
夏木マリさんにバトンタッチする前の最後のシーン
『自宅の2階の窓辺で北村と話している。東京に進出するのかと言う話でうちは大阪で生きていくと言う』
*このシーンで小野さんが自分から「最後にミシンを触りたい」と言ってきて、台本に無かったがポスターと同じ感じで撮ろうかとなって急遽増やした。
尾野さんにとって「カーネーション=ミシンだっから」
そのシーンで美術、照明に「糸子の背後には照明だよ」と言われ沢山の照明があたっている。
*佐藤直樹さんの音楽がまたいいんですよね。
(今でも佐藤さんのサントラが番組の中のBGMとして結構使われているのをこの日のお3人は意外とご存知ないかもよ)
シーン5
岡室さんが「もう一つ用意したシーン流せますか」とスタッフに聞いてもう一つ、ミシンとの出会いのシーン。
『娘時代の糸子がパッチ屋の前を通りパッチ屋を覗いて初めてミシンを見て衝撃を受ける。帰りに橋を渡りながらミシンはだんじりやと言う。団扇を持ってだんじりに乗るイメージ映像』
*窓にへばりつく糸子は?
「ト書き通りにやりました。カーネーションの台本はト書きも細かく書いてある。セリフも一字一句台本の通りにやっている。ト書きが細かいので台本に書き込みはしなかった、きれいなまま」
*糸子は植物、岸和田に根を張って花を咲かせる物語。
*なぜタイトルがカーネーションなのか?
お母さんのイメージ。
三女のサトコがイギリスから帰ってくるときにカーネーションを持ってくる。これは実話。それもある。
また“なんでカーネーションなのかな”と思わせるのも狙い。
*だんじりに乗るイメージ映像はなぜ?どう?
台本にそう書いてあったから。
まだ最初の方だったので黙ってやってくれていた。
「なぜここだけあの雰囲気なのか納得していない」
*薫さんのビンタについて
「本当にやってくださいと頼んで薫さんと2人で決めたが本当に痛くてモミジになってしまいスタッフが慌てて冷やしに来た。直ぐに次のシーンも撮らないといけなかったので。」
(モミジ、放送見てわかりましたよね)
「いつも大体本当にやってもらうのだがあのシーンではその方が周りの子供たちが本当に驚くから芝居としていいんじゃないかと言うことも理由」
*最後に、1番印象的なシーンは?
(尾)「(凄く考えた後に)初回の子役の糸子と歌を歌うシーンのレコーディング(苦手、時間が掛かった)」
田中さんが尾野さんがオンチだったとバラす。「オンチではない」と反論するが、実際予定以上に何度もレコーディングをして時間がかかって皆んなでご飯を食べに行かれなかった。それを頑張って編集して繋いだと。
(田)「デパートのシーンが割と好き」
最後の挨拶で尾野さんは丁寧に「大好きな作品です。皆さんこれからもカーネーションを宜しくお願いします」というような挨拶でした。
イベントが終わり退場の時、剛さんならば最後は手を振って礼節の礼で退場ですが、今日の尾野さんも途中までは岸和田の団扇を振りながらにこやかにはけつつ、最後に客席に向かって立ち止まり「何か言いたげ」。ん?とお客さんが拍手を止めると生声で「いっちょいで〜」!と言ってくれました。わーん。1人なのに「わっ」て声出た。糸ちゃんの「生いっちょいで」。最後に糸ちゃんらしい最高のプレゼント貰えた。
尾野さんはお芝居も素晴らしいけどこんな気の利いたことを自分からしてくれる人柄な所もとても素敵。尾野さんのいる現場はこんな感じなのでしょう。
良い作品を作り上げて今でもその作品を大切にしている人達の中に入れて幸せな時間でした。
カーネーション大好きで溢れる素敵なイベントだった。♡